シニアプロダクトマネージャーの思考法:ただ作るだけではない、未来を見据えた価値創造とは?

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プロダクトマネジメントのキャリアを積み重ねる中で、誰もが一度は感じる疑問があります。
「本当にこれでいいのだろうか?」と。

単なる「早くリリースする」や「要件通りに作る」から脱却し、
より本質的な価値創造へとシフトするには、思考そのものをアップデートする必要があります。

この記事では、私が最近読んだ素晴らしい記事
👉 How senior product managers think differently
の要点をもとに、シニアPMがどのように考え、行動しているかを整理してみました。


1. ジュニアPMとシニアPMの思考の違い

ジュニアPMがよく問うのは、次のようなことです。

  • どうすればこの機能を早くリリースできるか?
  • どうすれば品質を担保できるか?

一方で、シニアPMは全く異なる問いを立てます。

  • この問題は本当に解くべきものか?
  • より高い価値を生む問題はないか?
  • どうすればプロダクトを未来にわたって強くできるか?

つまり、単なる「作る人」から「正しい問題を定義し、導く人」へと進化しているのです。


2. シニアPMが活用する思考ツールとアプローチ

プロトタイプテストと段階的リリース

  • 素早く、低コストで仮説検証する。
  • 大規模なリソース投入前に、リスクを最小化する。

問題定義と背景共有

  • 単なるPRD(要件定義書)ではなく、
  • 「なぜやるのか」「どの制約下でやるのか」までチームに共有する。

インパクトとコストの冷静な試算

  • 新機能の効果だけでなく、
    • 維持コスト
    • 技術負債リスク
    • 機会コスト
      を定量的に考慮する。

3. Jobs To Be Done(JTBD)思考の重要性

ユーザーは製品を「所有するため」に買うのではありません。
**「仕事(Job)を完了させるため」に製品を「雇う(Hire)」**のです。

例:

  • ドリルを買う人が欲しいのは、ドリルではなく「壁に開いた穴」。
  • Uberを使う人が欲しいのは、乗車体験ではなく「A地点からB地点へ安全に移動すること」。

シニアPMは、ユーザーが本当に完了させたい「仕事」を特定し、そこに最適な解を設計することに集中します。


4. 「最高価値の問題」にフォーカスする

単に目の前の課題を解くだけでは不十分です。
本当にリソースを投下すべき「最も価値の高い問題」を見極めなければなりません。

そのためには、

  • Jobs to be done
  • Four Switching Forces(切り替え時の4つの力)
    • 押し出し要因(現状への不満)
    • 引き寄せ要因(新しい解決策の魅力)
    • 不安(新しい解決策への懸念)
    • 慣性(現状への安心感)

といったフレームワークを使い、ユーザーの深層心理を読み解く力が求められます。


5. 製品の未来を守る:バリューチェーンを拡張する

競合他社だけが脅威ではありません。
マイケル・ポーターの「ファイブフォース分析」が教えてくれるように、

  • サプライヤーの交渉力
  • 顧客の交渉力
  • 新規参入者
  • 代替品 もプロダクトの存続に大きな影響を与えます。

これらのリスクに対抗するには、単に「防御する」だけではなく、
バリューチェーン(価値連鎖)を拡張し、自ら不可欠な存在になる必要があります。

例えば Shopify は、

  • 単なる「オンラインショップ開設ツール」から
  • 「商品仕入れ」支援、
  • 「発送」支援(フルフィルメントネットワーク構築)まで
    サービス領域を広げることで、ユーザー離れを防ぎました。

6. まとめ:シニアPMとは「問いを変える人」である

シニアPMは、

  • 「どう作るか」ではなく「なぜ作るか」を問う。
  • 「短期成果」だけでなく「長期価値」を見据える。
  • 「防御」ではなく「自ら市場を創り出す」ことに挑む。

本質的なプロダクト思考とは、
**「正しい問題を定義し、価値を持続的に創造すること」**なのです。

あなたも、今日から問いを変えてみませんか?✨

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Nagi
Nagi
アプリ開発フリーランス
現在海外在住。AIとアプリ開発、自由な働き方に関する最新情報を皆様にお届けすべく、日々挑戦中です。 趣味はアプリ制作、読書、カフェ巡り。副業・フリーランス生活についても発信中!
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